WEEKLY 2021年5月9日号
バロンズ誌の創業者が残したもの
Clarence Barron Had His Flaws. But His Legacy is Impressive.
金融ジャーナリズム先駆者の矛盾に満ちた人生
ポンジの詐欺暴く一方で「泥棒男爵」称賛
Illustration by Joe McKendry
クラレンス・バロン氏は満足そうに周囲を見回した。1927年6月、本誌のインタビューで「米国は世界の金融の中心だ」と語り、「この国の銀行制度は世界一優れている」と述べた。記者にブローカーズ・ローンについて意見を聞かれると、「議論する価値はない。ブローカーズ・ローンは大した問題ではない」と答えていた。このインタビューから1年あまり後、バロン氏は死去した。そしてブローカーズ・ローン(証券会社による投資家への信用供与を銀行の融資で賄っていた)は1929…