1970年代の大インフレ時代を思い出させるように、今日の中央銀行関係者は、賃金と物価のスパイラルが制御不能に陥っていると言う。このスパイラルに拍車をかけているのは、2020年以降の複数の供給サイドのショックであり、新型コロナのロックダウンやロシアによるウクライナ侵攻後のエネルギー価格の高騰などだ。
しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長や他の中央銀行首脳が今日恐れている賃金・物価スパイラルとは、1970年代初頭にバーンズ元FRB議長が対…
WEEKLY 2023年3月12日号
賃金と物価のスパイラルに悩まないように
Don’t Fret About a Wage-Price Spiral
賃金コスト上昇より需要超過が物価に与える影響の方がより本質的