weekly magazine
WEEKLYマガジン 2023年3月19日号
規制当局は破綻銀行のリスクをなぜ見逃したのか
Why Regulators Didn't Spot the Risks at Banks—How to Stop the Next Failure
中小銀行に対する規制緩和が裏目に
金融危機の経験者、今回の混乱を語る
A Financial Crisis Veteran Sizes Up Today’s Mess
JPモルガン・アセット・アンド・ウェルス・マネジメントのCEOに聞く
SVBは第2のベア・スターンズか、それとも単なる弱気相場か
Is It Bear Stearns II, or Just a Bear Market? The Fed Is Watching
迅速な救済策で市場全体は安定。FRBは今後どう動くか
ハイテク企業は現金を安全に管理しているか
U.S. Companies Are Sitting on $3.6 Trillion in Cash. SVB Has Added New Risk
CFOと財務担当者が実践している現金管理方法
読みどころ
1番「カバーストーリー」は、今回の銀行破綻に端を発した金融市場の混乱で有利な立ち位置にある金融機関はどこなのか? 結論から言えば最大手の銀行の中の数行だ。大手の中でも濃淡がある。最優良はJPモルガン・チェース<JPM>だが、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>とモルガン・スタンレー<MS>も勝者となり得る。一方でバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)<BAC>は、債券ポートフォリオが大きな含み損を抱えている点が気になる。
2番「銀行」は、破綻したシリコンバレー銀行と株価が大きく下落したままのファースト・リパブリック・バンク<FRC>の2行の比較だ。いずれもサンフランシスコのベイエリアを基盤にしているが、両行の何が異なりどこに類似性があるのか? 米国事情に精通していれば理解が早い。
3番「金融」は、今年で4回目となる「米国金融業界で最も影響力がある女性100人」だ。企業幹部、米連邦準備制度、スタートアップ企業への出資者などに占める女性の割合はますます高まっている。また、S&P500指数構成企業のうち女性の最高経営責任者(CEO)は過去最高の8%を占める。活躍する女性リーダーを生き生きと紹介している。
4番「銀行」は「規制当局は破綻銀行のリスクをなぜ見逃したのか」だ。現行の金融規制は2008年の金融危機の再発を防止するために導入された。それでも今回の混乱はいくつかの疑問点を示した。それらは、「単に“大き過ぎてつぶせない”と考えられていた銀行から、そのすぐ下のランクの銀行にリスクが移ったにすぎないのではないか」「前回の金融危機と今回とでは何が違うのか」「今回の銀行救済は今後に禍根を残すのか」、そして「今後どのような措置が講じられる可能性が浮上してきたのか」だ。今回の混乱を多角的に分析しているが内容は専門的だ。
5番「フィーチャー」ではFRBの葛藤について解説している。今回の金融の混乱で消費者も企業も支出を抑える懸念が出てきた。それは実質的な引き締め効果をもたらす。その一方で経済指標は景気の堅調さを示すものが多い。仮に引き締めを中断すると2%のインフレ率の目標達成が困難になる。いろいろなことが複雑に絡み合うのが金融セクターの特徴だ。
7番「コラム」は「SVBは第2のベア・スターンズか、それとも単なる弱気相場か」だ。シリコンバレー銀行と東海岸のシグネチャー銀行が破綻し、大騒ぎになった一方で、超大型のハイテク銘柄の株価が回復し、暗号資産(仮想通貨)の価格が高騰した。これは実に奇妙な危機だ。そうした中で2008~2009年の金融危機の際の救済策を想起することは見当違いと思われる。当時と今回では何がどう違うのか?
9番「ハイテク」は「ハイテク企業は現金を安全に管理しているか」だ。シリコンバレー銀行の破綻がハイテク企業の資金管理にもたらす影響に焦点を当てて説明している。われわれが普段あまり気に掛けない米国の銀行と企業の取引慣行や、その実態をうかがい知ることのできる興味深い記事だ。
2番「銀行」は、破綻したシリコンバレー銀行と株価が大きく下落したままのファースト・リパブリック・バンク<FRC>の2行の比較だ。いずれもサンフランシスコのベイエリアを基盤にしているが、両行の何が異なりどこに類似性があるのか? 米国事情に精通していれば理解が早い。
3番「金融」は、今年で4回目となる「米国金融業界で最も影響力がある女性100人」だ。企業幹部、米連邦準備制度、スタートアップ企業への出資者などに占める女性の割合はますます高まっている。また、S&P500指数構成企業のうち女性の最高経営責任者(CEO)は過去最高の8%を占める。活躍する女性リーダーを生き生きと紹介している。
4番「銀行」は「規制当局は破綻銀行のリスクをなぜ見逃したのか」だ。現行の金融規制は2008年の金融危機の再発を防止するために導入された。それでも今回の混乱はいくつかの疑問点を示した。それらは、「単に“大き過ぎてつぶせない”と考えられていた銀行から、そのすぐ下のランクの銀行にリスクが移ったにすぎないのではないか」「前回の金融危機と今回とでは何が違うのか」「今回の銀行救済は今後に禍根を残すのか」、そして「今後どのような措置が講じられる可能性が浮上してきたのか」だ。今回の混乱を多角的に分析しているが内容は専門的だ。
5番「フィーチャー」ではFRBの葛藤について解説している。今回の金融の混乱で消費者も企業も支出を抑える懸念が出てきた。それは実質的な引き締め効果をもたらす。その一方で経済指標は景気の堅調さを示すものが多い。仮に引き締めを中断すると2%のインフレ率の目標達成が困難になる。いろいろなことが複雑に絡み合うのが金融セクターの特徴だ。
7番「コラム」は「SVBは第2のベア・スターンズか、それとも単なる弱気相場か」だ。シリコンバレー銀行と東海岸のシグネチャー銀行が破綻し、大騒ぎになった一方で、超大型のハイテク銘柄の株価が回復し、暗号資産(仮想通貨)の価格が高騰した。これは実に奇妙な危機だ。そうした中で2008~2009年の金融危機の際の救済策を想起することは見当違いと思われる。当時と今回では何がどう違うのか?
9番「ハイテク」は「ハイテク企業は現金を安全に管理しているか」だ。シリコンバレー銀行の破綻がハイテク企業の資金管理にもたらす影響に焦点を当てて説明している。われわれが普段あまり気に掛けない米国の銀行と企業の取引慣行や、その実態をうかがい知ることのできる興味深い記事だ。
- 【編集人】川田 重信
- 大和證券入社後1986年から米国株式を中心に外国株式の営業活動に従事。ペインウェバー(現UBS)証券を経て2000年にエグゼトラストを設立。神戸大学経営学部卒業 米国ロチェスター大学MBA。