weekly magazine
WEEKLYマガジン 2023年3月26日号
ヒューマナは高齢者医療に対する賭け
Humana Stock Is a Bet on Healthcare for Seniors
メディケア・アドバンテージ拡大と高齢者増加が理由で、株価反落は買い場
FRBは銀行よりインフレを優先させるべきだ
The Fed Should Choose Inflation Over Banks. Why a Rate Cut Would Be Bad.
抱えるリスクの実態
三つのAIチャットボットに同じ質問をすると?
Google’s Bard Chatbot Reveals Its True Self: A 6-Foot Tall Male With Blue Eyes
回答はトレーニングデータの偏りを示唆
外国人投資家をおびえさせる米国。米国の代わりに目指す場所は?
The U.S. Is Scaring Off Foreign Investors. Where They’re Going Instead.
一人勝ち米国株式市場の終焉
今週の予定
The New UBS Is a Wealth Management Behemoth. That’s a Risk.
合併後のUBSはウェルスマネジメントの巨人となる。だがそれはリスクでもある。
読みどころ
2023年3月26日
1番「カバーストーリー」は、ディスカウント・ストアのダラー・ゼネラル<DG>の過剰請求問題だ。値札から想定した金額よりもレジで実際に請求される金額が多い事例が発生した。原因は、新たな価格が電子決済システムにアップロードされる時間と実店舗の値札に反映される時間との間に差があることだという。そして、それは人員不足で値札の更新が追い付かないからだ。問題が表面化したのは昨年11月頃だが株価は特段の反応を示していない。この記事が月曜日の同社株価に影響するかどうかはともかく、長期的な投資魅力を損ねることはなさそうだ。
2番「銀行」は、シリコンバレー銀行(SVB)の破綻をきっかけに株価が大きく売られたネット証券大手のチャールズ・シュワブ<SCHW>だ。SVBと同じく金利の上昇と顧客資産の流出で投資家が同社の収益見通しに懸念を表明したことが株価下落の要因だ。
3番「インタビュー」では、TDカウエンの小売アナリストが直近の小売業界動向と有望銘柄を解説している。裁量消費に注目すればすでに景気後退(リセッション)入りしている。インフレは今後も続くが、こうした状況で投資できる銘柄として、会員制量販大手コストコ・ホールセール<COST>、LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン<MC.フランス>、小売り大手ウォルマート<WMT>を推奨している。
4番「注目銘柄」は医療保険会社のヒューマナ<HUM>に買いの好機というメッセージだ。株価は、2022年11月初旬に高値を付けてから、直近まで約12%下落している。買いの材料はメディケア・アドバンテージ(高齢者向け医療保険制度で、従来の全てのメニューの一体型)に対する期待だ。メディケア・アドバンテージは米国の高齢者6000万人のうち半分が利用しており、残る3000万人の大半もいずれは利用することになる可能性がある。
5番「経済政策」は、今回の銀行の預金不安が経済にもたらす混乱よりも引き続きインフレに注視すべきとの記事だ。1966年当時の信用収縮を先例として紹介している。当時と今回の違いにも言及しているので勉強になる。さすが「バロンズ・ダイジェスト」!
6番「ハイテク」は「三つのAIチャットボットに同じ質問をすると?」だ。アルファベット<GOOGL>傘下のグーグルは3月21日、汎用目的のチャットボット、Bard(バード)の試験版を一般公開した。Bardはオープン AIのChat(チャット)GPTや同社に出資するマイクロソフト<MSFT>のBingチャットなどと同様、利用者の質問に自動応答する生成人工知能(AI)だ。記事ではこの三つに同じ質問をして、その答えを比較している。
10番「経済スケジュール」のコラムでは、スイスの金融大手UBS<UBS>のクレディ・スイス<CS>買収を取り上げている。この買収でUBSのウェルスマネジメント部門がより巨大になる。これは利用者にどんな影響をもたらすのか?結論は「富裕層は、合併を嫌う」そうだ。
1番「カバーストーリー」は、ディスカウント・ストアのダラー・ゼネラル<DG>の過剰請求問題だ。値札から想定した金額よりもレジで実際に請求される金額が多い事例が発生した。原因は、新たな価格が電子決済システムにアップロードされる時間と実店舗の値札に反映される時間との間に差があることだという。そして、それは人員不足で値札の更新が追い付かないからだ。問題が表面化したのは昨年11月頃だが株価は特段の反応を示していない。この記事が月曜日の同社株価に影響するかどうかはともかく、長期的な投資魅力を損ねることはなさそうだ。
2番「銀行」は、シリコンバレー銀行(SVB)の破綻をきっかけに株価が大きく売られたネット証券大手のチャールズ・シュワブ<SCHW>だ。SVBと同じく金利の上昇と顧客資産の流出で投資家が同社の収益見通しに懸念を表明したことが株価下落の要因だ。
3番「インタビュー」では、TDカウエンの小売アナリストが直近の小売業界動向と有望銘柄を解説している。裁量消費に注目すればすでに景気後退(リセッション)入りしている。インフレは今後も続くが、こうした状況で投資できる銘柄として、会員制量販大手コストコ・ホールセール<COST>、LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン<MC.フランス>、小売り大手ウォルマート<WMT>を推奨している。
4番「注目銘柄」は医療保険会社のヒューマナ<HUM>に買いの好機というメッセージだ。株価は、2022年11月初旬に高値を付けてから、直近まで約12%下落している。買いの材料はメディケア・アドバンテージ(高齢者向け医療保険制度で、従来の全てのメニューの一体型)に対する期待だ。メディケア・アドバンテージは米国の高齢者6000万人のうち半分が利用しており、残る3000万人の大半もいずれは利用することになる可能性がある。
5番「経済政策」は、今回の銀行の預金不安が経済にもたらす混乱よりも引き続きインフレに注視すべきとの記事だ。1966年当時の信用収縮を先例として紹介している。当時と今回の違いにも言及しているので勉強になる。さすが「バロンズ・ダイジェスト」!
6番「ハイテク」は「三つのAIチャットボットに同じ質問をすると?」だ。アルファベット<GOOGL>傘下のグーグルは3月21日、汎用目的のチャットボット、Bard(バード)の試験版を一般公開した。Bardはオープン AIのChat(チャット)GPTや同社に出資するマイクロソフト<MSFT>のBingチャットなどと同様、利用者の質問に自動応答する生成人工知能(AI)だ。記事ではこの三つに同じ質問をして、その答えを比較している。
10番「経済スケジュール」のコラムでは、スイスの金融大手UBS<UBS>のクレディ・スイス<CS>買収を取り上げている。この買収でUBSのウェルスマネジメント部門がより巨大になる。これは利用者にどんな影響をもたらすのか?結論は「富裕層は、合併を嫌う」そうだ。
- 【編集人】川田 重信
- 大和證券入社後1986年から米国株式を中心に外国株式の営業活動に従事。ペインウェバー(現UBS)証券を経て2000年にエグゼトラストを設立。神戸大学経営学部卒業 米国ロチェスター大学MBA。