2023年5月28日
1番「ハイテク」は先週株価が急騰したエヌビディア＜NVDA＞だ。同社の業績や成長性に疑いをさしはさむ余地はない。そして半導体銘柄では、初の時価総額1兆ドルまでもうあと少しだ。ただし1兆ドルを超えたからといって、それを維持できるだけの成長性や優位性があるのか？過去に栄華を極めたインテル＜INTC＞や直近の台湾積体電路製造（TSMC）＜TSM＞の動きをみても簡単ではない。

2番「フィーチャー」は、満期1年未満の米財務省短期証券（TB）が今一番人気の投資商品という記事だ。米連邦準備制度理事会（FRB）の政策金利の引き上げで、現状3カ月物TBや6カ月物TBの利回りは5.3％程度にまで上昇しており、極めて魅力的な水準だ。日本の投資家もこれらの債券やそれらを組み入れた上場投資信託（ETF）さらにはMMFに簡単にアクセスできる。すぐに検討すべきだ。

3番「銀行」は「銀行の預金者が規制当局に本当に求めているものとは」だ。シーラ・ベア連邦預金保険公社（FDIC）元総裁の見解を披露している。彼女は2006〜2011年の極めて重要な時期にFDICの議長を務めた。今回の銀行業界の混乱の原因と背景、さらには今後の対応について彼女の卓見を聞いている。難しい内容だがチャレンジしてほしい。

4番「退職運用計画」は米国の社会保障制度についての詳細な分析記事だ。「米社会保障庁は、議会が何も行動しなかった場合、社会保障年金の積立金が以前の予測より1年早い2034年に枯渇すると予想している」。米国の社会保障制度を勉強するには格好の記事だ。これを手掛かりに深堀して、知見を深めよう。

6番「コラム」では、直近のハイテク主導の株価上昇と、2000年のITバブル崩壊や2008年当時の金融危機の状況を重ね合わせている。後半はFRBの政策金利引き上げに関する分析だ。

7番「投資戦略」は「アップルの複合現実（MR）ヘッドセットがお披露目間近」だ。著者ジャック・ハウの体験に基づいたアップル商品の使い勝手やその弊害について、ユーモアを交えて紹介している。米国のみならず世界中がアップル中毒になりそうだ。後半は、そのアップルの株価バリュエーションについてだ。アップル株は永遠に手放さないと決めている投資家もいるかもしれないが、それでも著者の言い分は確認しておこう。

9番「米国株式市場」では、現在の相場は少数の大手ハイテク銘柄がマーケットの上昇をけん引していると分析。S&P500指数は年初来9.5％上昇しているが、インベスコS&P500イコール・ウエート＜RSP＞（指数採用の500銘柄を0.2％ずつ均等に保有するETF）はわずかに下落している。時価総額加重が均等加重の指数をこれだけ大きく上回ったのは、1999年のハイテクバブルの時以来だ。この現象をどう解釈すべきか？記事をご覧いただきたい。