weekly magazine
WEEKLYマガジン 2020年9月27日号
UBSのサステナブル投資の採用、他社が追随する道を開く可能性
UBS’ Embrace of Sustainable Investing Could Pave the Way
先行者利益の獲得・維持には成果が必要
右傾化する最高裁は企業が絡む訴訟をどう裁くか
A Right-Leaning Court Will Tackle Some Big Business Cases
ハイテク企業が絡む重大案件が待っている
ズームとビデオ会議のブームに取り残されたテレビ
As Zoom and Videoconferencing Boom, TVs Are Getting Left Behind
いずれカメラ内蔵テレビなどが重要なツールになる時代も
政治が市場を動かすのか、市場が政治を動かすのか
Will Washington Rule the Markets, or Will Wall Street Decide the Election?
市場は最終局面を迎えた大統領選挙を注視
読みどころ
2020年9月27日
マーケット概況
先週の株式相場は、水曜日まで不安定な動きだったが後半は反発を見せた。主要株価3指数の週間パフォーマンスは、指数間でかい離がみられ、ナスダック総合指数が1.1%上昇した一方、S&P500指数は0.6%安、ダウ工業株30種平均は1.7%安となった。S&P500とNYダウは、4週連続で下落した。
1番「カバーストーリー」は、4人のヘルスケア分野投資の専門家によるラウンドテーブルだ。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)は、この危機に対する理解とともに予防ワクチン開発の取り組みをうながしたほか、バイオテクノロジーや医薬品開発から診断や患者ケアに至るまで、医療のあらゆる領域でイノベーションを起こしている。けっこうボリュームのある長い記事で気合いが入っていると感じた。取り上げている銘柄も私が知らないものが多い。元々ヘルスケアの領域は内容が複雑で理解も難しいのでなおさらだが、興味のある人には貴重な情報だと思う。
3番「インタビュー」は、電動トラックメーカー、ニコラ(NKLA)の空売りで話題のヒンデンブルグ・リサーチの創設者、ネイサン・アンダーソン氏へのインタビューだ。ヒンデンブルグのニコラを批判する67ページのレポートが9月10日に発表されて以降、ニコラの株式は5割下落した。ニコラはこれを受けて会長が退任している。ニコラは私も注目していた。SPAC(特別買収目的会社)に買収される方法で上場したこの企業は株価高騰で随分マーケットの話題を集めた。しかしその後次々に悪材料が噴出し直近も下げ止まらない。それにしても解せないのは、GMがニコラに20億ドル出資して提携すると伝わったのが9月8日で、その日に株価が4割ほど暴騰したことだ。そしてヒンデンブルグのレポートがマーケットで話題になったのは10日でそこから株価は坂を転げ落ちるように下がっている。あのGMのデュデリジェンス(DD)は何だったのだろう?
4番「フィーチャー」は、先日死去したルース・ギンズバーグ最高裁判事の後任指名の問題だ。トランプ大統領は保守派の判事を指名し、最高裁では保守派の判事が圧倒的多数になる見込みだ。9月25日時点での最有力候補はエイミー・コニー・バレット氏とみられており、上院は選挙前後の承認を目指している。(その後、26日にトランプ氏がバレット氏を正式指名。)保守派が多数を占めることから、自由な経済活動が重視され、今後企業側には有利な判断が多く下されることが予想され、特に、独占禁止法違反などで多くの訴訟案件を抱える大手ハイテク業界に大きな影響が及ぶ可能性がある。
7番ETFでは、リスクを軽減できる性質を備えたETFを紹介している。低ボラティリティ銘柄を主に運用するETFとして、iシェアーズ・MSCI米国ミニマム・ボラティリティ・ファクターETF<USMV>とインベスコS&P 500低ボラティリティETF<SPLV>が紹介されている。これらのETFは3月の急落時は市場と同様かそれ以上の下落となるものもあったが、9月の株価下落時に市場全般の下落幅の約3分の2の下落に抑えられたという。ただし、その分アップサイドは諦めることになる。リスク軽減に「無料」のものはないということだ。
10番「経済関連スケジュール」は、新型コロナウイルスの影響で、ゾンビ企業が増加しているという話だ。ゾンビ企業という名称は、1990年代初頭から2000年代初め、日本の銀行が企業救済のために低金利での融資を行うよう圧力を受けていた、“失われた10年”で現れたのが最初だとしている。以来、ゾンビ企業の発生は広がり、世界の上場企業におけるゾンビ企業の割合は、1980年代後半に4%だったのが、2017年には15%に拡大したという。
マーケット概況
先週の株式相場は、水曜日まで不安定な動きだったが後半は反発を見せた。主要株価3指数の週間パフォーマンスは、指数間でかい離がみられ、ナスダック総合指数が1.1%上昇した一方、S&P500指数は0.6%安、ダウ工業株30種平均は1.7%安となった。S&P500とNYダウは、4週連続で下落した。
1番「カバーストーリー」は、4人のヘルスケア分野投資の専門家によるラウンドテーブルだ。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)は、この危機に対する理解とともに予防ワクチン開発の取り組みをうながしたほか、バイオテクノロジーや医薬品開発から診断や患者ケアに至るまで、医療のあらゆる領域でイノベーションを起こしている。けっこうボリュームのある長い記事で気合いが入っていると感じた。取り上げている銘柄も私が知らないものが多い。元々ヘルスケアの領域は内容が複雑で理解も難しいのでなおさらだが、興味のある人には貴重な情報だと思う。
3番「インタビュー」は、電動トラックメーカー、ニコラ(NKLA)の空売りで話題のヒンデンブルグ・リサーチの創設者、ネイサン・アンダーソン氏へのインタビューだ。ヒンデンブルグのニコラを批判する67ページのレポートが9月10日に発表されて以降、ニコラの株式は5割下落した。ニコラはこれを受けて会長が退任している。ニコラは私も注目していた。SPAC(特別買収目的会社)に買収される方法で上場したこの企業は株価高騰で随分マーケットの話題を集めた。しかしその後次々に悪材料が噴出し直近も下げ止まらない。それにしても解せないのは、GMがニコラに20億ドル出資して提携すると伝わったのが9月8日で、その日に株価が4割ほど暴騰したことだ。そしてヒンデンブルグのレポートがマーケットで話題になったのは10日でそこから株価は坂を転げ落ちるように下がっている。あのGMのデュデリジェンス(DD)は何だったのだろう?
4番「フィーチャー」は、先日死去したルース・ギンズバーグ最高裁判事の後任指名の問題だ。トランプ大統領は保守派の判事を指名し、最高裁では保守派の判事が圧倒的多数になる見込みだ。9月25日時点での最有力候補はエイミー・コニー・バレット氏とみられており、上院は選挙前後の承認を目指している。(その後、26日にトランプ氏がバレット氏を正式指名。)保守派が多数を占めることから、自由な経済活動が重視され、今後企業側には有利な判断が多く下されることが予想され、特に、独占禁止法違反などで多くの訴訟案件を抱える大手ハイテク業界に大きな影響が及ぶ可能性がある。
7番ETFでは、リスクを軽減できる性質を備えたETFを紹介している。低ボラティリティ銘柄を主に運用するETFとして、iシェアーズ・MSCI米国ミニマム・ボラティリティ・ファクターETF<USMV>とインベスコS&P 500低ボラティリティETF<SPLV>が紹介されている。これらのETFは3月の急落時は市場と同様かそれ以上の下落となるものもあったが、9月の株価下落時に市場全般の下落幅の約3分の2の下落に抑えられたという。ただし、その分アップサイドは諦めることになる。リスク軽減に「無料」のものはないということだ。
10番「経済関連スケジュール」は、新型コロナウイルスの影響で、ゾンビ企業が増加しているという話だ。ゾンビ企業という名称は、1990年代初頭から2000年代初め、日本の銀行が企業救済のために低金利での融資を行うよう圧力を受けていた、“失われた10年”で現れたのが最初だとしている。以来、ゾンビ企業の発生は広がり、世界の上場企業におけるゾンビ企業の割合は、1980年代後半に4%だったのが、2017年には15%に拡大したという。
- 【編集人】川田 重信
- 大和證券入社後1986年から米国株式を中心に外国株式の営業活動に従事。ペインウェバー(現UBS)証券を経て2000年にエグゼトラストを設立。神戸大学経営学部卒業 米国ロチェスター大学MBA。