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WEEKLYマガジン 2021年2月7日号

アルツハイマー危機の到来

The Coming Alzheimer’s Crisis

深刻さは新型コロナの比ではない

ゲームストップめぐる混乱でロビンフッドに新たな試練

In the Wake of GameStop, a New Test for Robinhood

当局の調査や利用者離れ

リターン100%超えが良い知らせでない理由

More Than Two Dozen Funds Returned More Than 100% Last Year.

ファンドが抱える複数の問題点

バイデン政権下の株式市場、トランプ政権時と違ったものに

The Biden Stock Market Won’t Be Like the Trump Market

サビタ・スブラマニアン氏に聞く

バイオジェンのアルツハイマー薬が直面する大きな試練

Biogen’s Alzheimer’s Drug Faces a Big Test

急騰か急落かはFDAの判断次第

ゲームストップの乱で注目、踏み上げの歴史は古い

The GameStop Phenomenon Is Hardly New

1923年の勝ち組は

債券市場はインフレ高進見込む

Bonds Send Message: Inflation Is Coming

イールドカーブがスティープ化

経済再開の動き背景に大きく反発

Stocks Are Bouncing Back for the Right Reasons.

イールドカーブのスティープ化に注意

アマゾン、CEO交代への備えは盤石

Amazon Sends a Clear Message-the Future Is in The Cloud

アマゾンの未来はクラウドに

今週の予定

Under Armour Calls Timeout on Its Big NFL Deal

アンダーアーマー、NFLとの契約を「タイムアウト」

読みどころ

2021年2月7日

先週、ダウ工業株30種平均は3.9%高の3万1148ドル24セントとなり、S&P500指数は4.6%高の3886.83。ナスダック総合指数は6.0%の上昇で1万3856.30を付けたが、小型株のラッセル2000指数はこれらを上回る7.7%高となり2233.33で週末を迎えた。

今週はアルツハイマー病とその治療薬を扱った大型記事が2本あるが、これは投資家なら必読だろう。また、超好成績のファンドのパフォーマンスに対する指摘も投資家は素直に傾聴すべきだ。加えてゲームストップ<GME>の乱高下に似た100年ほど前の“事件”も面白かった。

1番「カバーストーリー」は「アルツハイマー危機の到来」という大型記事だ。この病気の患者数と致死率は新型コロナウイルスを上回る。苦しむのは本人のみならず介護者そして経済的なダメージは社会全体に広がる。この病気が社会にもたらす影響を多角的に捉え、その対応策を提言する。

2番「フィーチャー」は渦中の証券会社、ロビンフッドだ。口座開設数では最大手のチャールズ・シュワブ<SCHW>を猛追しているが、口座当たりの預かり資産額でははるかに及ばない。近々IPOが想定されている同社のリスクや脆弱性にハイライト。

3番「ファンド」では好成績のファンドの話題だ。アクティブ運用ファンドでそのパフォーマンスが昨年1年で100%を超えたのは20本あった。これは極めて珍しく、過去10年で暦年では皆無だった。ただし、パフォーマンスだけではファンドの優劣を論じることは出来ないことに投資家は気づくべきだ。

4 番「インタビュー」はバイデン政権下の株式市場を占う記事だ。「今やシクリカル銘柄や小型株を買う時だ」とアドバイスするのはバンクオブアメリカ・セキュリティーズのストラテジストであるサビタ・スブラマニアン氏だ。ここ数年の彼女は成長株の割高を指摘し続けウォール街の中では弱気派だ。

5番「フィーチャー」はバイオジェン<BIIB>のアルツハイマー薬が直面する大きな試練に関してだ。同社のアルツハイマー治療薬アデュカヌマブにまつわる一連の経緯と、同薬に期待する同社と投資家の状況をまとめている。

6番「フィーチャー」はゲームソフト小売り大手のゲームストップ<GME>の踏み上げ(ショートスクイーズ)に似た事例が約100年前にもあったという記事。全米で初めてセルフサービスを導入したスーパー、ピグリーウィグリーの増資、空売り、そしてオーナーの買い向かいに絡む顛末だ。

7番「コラム」はゲームストップ同様にロビンフッターの標的になった、AV製品メーカーのコス<KOSS>の株価急騰によって利した内部関係者の顛末。記事後半は直近の長期金利上昇でイールドカーブがここ数年で最もスティープになっている点を指摘。まだインフレの織り込みや株価のバリュエーションに影響する水準ではないと思うが、警戒指標の一つだろう。

9番「ハイテク」は今回CEOの交代が発表されたアマゾン<AMZN>だ。稼ぎ頭はアマゾン・ウェブ・サービスで他のソフトウエア企業同様の株価売上高倍率20倍を当てはめると、この部門だけで時価総額は1兆ドルを超えるという。これだけの巨大企業の創業者トップが交代するなら不確実性の高まりは避けられないはずだが、杞憂に終わるかもしれない。
【編集人】川田 重信
大和證券入社後1986年から米国株式を中心に外国株式の営業活動に従事。ペインウェバー(現UBS)証券を経て2000年にエグゼトラストを設立。神戸大学経営学部卒業 米国ロチェスター大学MBA。

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