2022年3月13日
カバーは「プーチン氏の戦争は世界をどう変えるか」だ。この記事ではロシアのウクライナ侵攻がもたらす影響を地政学、経済そして歴史的な視点で解説している。私は“今回の戦争で市場経済の拡大に終わりを告げる”とか“市場経済の拡大は民主主義を促進する効果があると思われていたがそれは幻想”というくだりが気になった。もしそうなら日本人の米国株式投資そのものが再考を迫られることになるが、そうはならないだろう。

2番は資源価格の高騰がもたらすインフレや金融政策がマーケットに与える影響を吟味している。後半はこの状況下で注目に値するセクターや銘柄だ。

3番は恒例の企画で、米国のトップ・ファイナンシャル・アドバイザー1200人のランキングだ。あるアドバイザーは今回の大幅下落は市場の転換点の前兆であり、過去12年間のデフレ局面で機能した戦略はインフレ局面では通用しないかもしれないと語る。これが本当なら投資家は現行のポートフォリオに抜本的な見直しを迫られる。

4番「フィーチャー」は「増産と脱炭素化を両にらみ」だ。米国のエネルギー事情を踏まえて、短期、中期そして長期に取り組む課題を提言している。前段で石油・天然ガス開発が「愛国者の責務」になると予想する見方や、「資本主義経済では、愛国心で物事は動かない」という意見を紹介しているのが興味深い。

6番では米国の景気後退入りの可能性を株式や債券の下落率から推計している。簡便的な方法だが景気後退入りの可能性が半分を超えている指標もある。

8番は、アップルが3月9日に開催した製品発表オンラインイベントが示唆する、五つの見逃せない材料についてだ。

9番は直近の物価上昇に関する分析で、エコノミストの楽観姿勢をいさめる内容だ。物価情報の品目の中では特に食品価格の上昇が社会不安を助長する点を強調する。後段では1970年代以来未経験のハイパーインフレーションにも言及している。