weekly magazine
WEEKLYマガジン 2022年8月7日号
強い雇用統計も株式相場は急落せず
July’s Strong Jobs Report Didn’t Crush the Market. What to Look for Next.
金利上昇によるバリュエーション低下と企業業績の綱引き
読みどころ
2022年8月7日(日)
1番「カバー」は複合企業のゼネラル・エレクトリック(GE)<GE>について。かつて米国最高の企業とも称されたGEに昔日の面影はなく、ここ数年は事業売却によるバランスシートの修復が続いていた。このGEは最終的に残った3部門である航空宇宙部門、エネルギー部門、ヘルスケア部門に3分割されるという。記事では各部門を個々に評価してその時価総額を合計している。結果は現在の時価総額よりも大きくなっているため、現在のGEは「割安」との結論だ。その是非はともかく、あのGEでも株主のために会社分割で消滅するという米国の資本主義の徹底には、感じ入るものがある。
2番の「注目銘柄」ではペイパル<PYPL>を取り上げている。高値から約3分の1近くまで下落したペイパル株だが、枝葉の事業を停止して経費節減と財務規律の徹底で復活を図る同社には、物言う株主であるエリオット・マネジメントも最近ペイパル株を取得したという。
3番の「フィーチャー」はロボアドバイザーのランキング。新たなテクノロジーを利用した新機能を追加してパーソナライズできることが重要だという。ランキングそのものよりも、日進月歩の業界で重要視される機能やマーケティング手法が参考になりそう。
4番「フィーチャー」では先週大きく注目された台湾問題を、半導体の観点から取り上げている。銘柄としては台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>の重要性が論じられているが、中国にとってもハイテク産業の安定は重要なはずだ。
5番の「インタビュー」ではニューバーガー・バーマンのバリュー株運用のマネジャーであるイーライ・サルツマン氏に聞いている。バリュー株ファンドの中で好成績を残すサルツマン氏のファンドの上位保有はエクソンモービル<XOM>やファイザー<PFE>。株価上昇のきっかけとなるカタリストに注目しているという。他の銘柄もインタビューの中で紹介されている。
7番「投資戦略」は大手通信株。米国では最近、モバイル通信の契約者数が人口増加率より速く増えているという。増加の背景の一つとしてポストペイド方式への乗り換えが挙げられているが、割安状態にある通信株は買いの好機だろうか。
8番「ハイテク」はアップル<AAPL>の広告事業参入について。アップルが最近出した求人広告から広告事業への参入が示唆されるという。アップルから広告事業に関するコメントは拒否されたようだが、参入が実現すると競争優位性が発揮され、他社には脅威となりそうだ。
9番「コラム」は、名門証券会社だったソロモン・ブラザーズにチーフエコノミストとして在籍していたヘンリー・カウフマン氏の電話インタビューの内容。同氏は我々世代には伝説的な人だが、現在の金融政策に関して、同氏が活躍していた1980年代と比較して論じている。
10番「経済関連スケジュール」のコラムは、銀行預金金利について。ネット銀行など、より金利の高い銀行を紹介している。
1番「カバー」は複合企業のゼネラル・エレクトリック(GE)<GE>について。かつて米国最高の企業とも称されたGEに昔日の面影はなく、ここ数年は事業売却によるバランスシートの修復が続いていた。このGEは最終的に残った3部門である航空宇宙部門、エネルギー部門、ヘルスケア部門に3分割されるという。記事では各部門を個々に評価してその時価総額を合計している。結果は現在の時価総額よりも大きくなっているため、現在のGEは「割安」との結論だ。その是非はともかく、あのGEでも株主のために会社分割で消滅するという米国の資本主義の徹底には、感じ入るものがある。
2番の「注目銘柄」ではペイパル<PYPL>を取り上げている。高値から約3分の1近くまで下落したペイパル株だが、枝葉の事業を停止して経費節減と財務規律の徹底で復活を図る同社には、物言う株主であるエリオット・マネジメントも最近ペイパル株を取得したという。
3番の「フィーチャー」はロボアドバイザーのランキング。新たなテクノロジーを利用した新機能を追加してパーソナライズできることが重要だという。ランキングそのものよりも、日進月歩の業界で重要視される機能やマーケティング手法が参考になりそう。
4番「フィーチャー」では先週大きく注目された台湾問題を、半導体の観点から取り上げている。銘柄としては台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>の重要性が論じられているが、中国にとってもハイテク産業の安定は重要なはずだ。
5番の「インタビュー」ではニューバーガー・バーマンのバリュー株運用のマネジャーであるイーライ・サルツマン氏に聞いている。バリュー株ファンドの中で好成績を残すサルツマン氏のファンドの上位保有はエクソンモービル<XOM>やファイザー<PFE>。株価上昇のきっかけとなるカタリストに注目しているという。他の銘柄もインタビューの中で紹介されている。
7番「投資戦略」は大手通信株。米国では最近、モバイル通信の契約者数が人口増加率より速く増えているという。増加の背景の一つとしてポストペイド方式への乗り換えが挙げられているが、割安状態にある通信株は買いの好機だろうか。
8番「ハイテク」はアップル<AAPL>の広告事業参入について。アップルが最近出した求人広告から広告事業への参入が示唆されるという。アップルから広告事業に関するコメントは拒否されたようだが、参入が実現すると競争優位性が発揮され、他社には脅威となりそうだ。
9番「コラム」は、名門証券会社だったソロモン・ブラザーズにチーフエコノミストとして在籍していたヘンリー・カウフマン氏の電話インタビューの内容。同氏は我々世代には伝説的な人だが、現在の金融政策に関して、同氏が活躍していた1980年代と比較して論じている。
10番「経済関連スケジュール」のコラムは、銀行預金金利について。ネット銀行など、より金利の高い銀行を紹介している。
- 【編集人】川田 重信
- 大和證券入社後1986年から米国株式を中心に外国株式の営業活動に従事。ペインウェバー(現UBS)証券を経て2000年にエグゼトラストを設立。神戸大学経営学部卒業 米国ロチェスター大学MBA。